東北大学加齢医学研究所 臨床腫瘍学分野 東北大学 腫瘍内科

教授挨拶

東北大学病院

東北がんプロフェッショナル養成推進プラン

和香会

がん情報みやぎ

HOME < 教授挨拶 < 詳細

教授挨拶

研究室の紹介 (艮陵新聞 平成20年3月31日号より)

研究室の歴史

癌化学療法研究分野の前身である抗酸菌病研究所臨床癌化学療法研究部門は、1969年6月に設置されました。初代齊藤達雄教授は、当時開発が始まった抗がん剤の治療効果を判定する基準(小山・斉藤の効果判定基準)を作成したほか、既に米国で導入されていた臨床相試験による新規抗がん剤の開発方法を導入しました。多くの新規抗がん剤の治験や多剤併用療法の臨床的評価が行われましたが、固形がんでは十分な臨床効果が得られませんでした。1978年に就任した二代目涌井昭教授の時代には、新規抗がん剤や併用療法の臨床研究に加えて、抗がん剤の感受性、耐性、昇圧癌化学療法を含む投与法開発などの研究に力が注がれました。1991年に就任した三代目金丸龍之介教授の時代には、分子生物学の発展によるがん研究の大きな潮流の変化に伴い、単に抗がん剤の臨床開発のみでなく、がんの内科的制御に必要な基礎生物学的研究が展開されました。この間、1993年には抗酸菌病研究所が加齢医学研究所へと改組され、本研究分野は腫瘍制御研究部門に癌化学療法研究分野として組み込まれました。また、2000年4月の附属病院統廃合に伴い、診療科は腫瘍内科と改名して医学部附属病院(現大学病院)に移行しました。

現在のスタッフ

2003年6月に私が分野・診療科を担当することになり約4年半経ちました。この数年間、分子標的治療薬の登場をはじめとするがん薬物療法の急速な進歩と適応患者数の急増、外来治療体制の構築、がん薬物療法専門医制度のスタート、厚生労働省のがん診療連携拠点病院制度や文部科学省のがんプロフェッショナル養成プランへの対応、新しい大学院腫瘍専門医コースの準備など、診療や教育に関する私たちの分野のニーズが増えています。2007年6月には、吉岡孝志准教授が山形大学医学部臨床腫瘍学分野(新設)の教授に転出しました。2008年1月現在、スタッフは私のほか、分野に柴田浩行准教授、下平秀樹助教、腫瘍内科に加藤俊介講師、大塚和令助教、角道祐一助教、高橋信助教、がんセンターに福井忠久助教、医学系研究科に高橋雅信助教(がんプロ担当)の9人です。このほか大学院生、研究支援者、技術補佐員、事務補佐員を加え、総勢20名あまりの研究室です。

主な研究内容

当分野では、難治がんの制御を目指したがん薬物療法の開発や分子診断・分子治療の技術の開発を研究テーマに、他の研究または医療機関との共同研究も含めて基礎的、臨床的研究に取り組んでいます。がんの分子診断に関する基礎研究テーマには、分子診断に基づく抗がん剤投与法の最適化に関する研究(感受性、耐性予測を含む)、遺伝子発現解析による予後予測に関する研究、遺伝子解析による個人の発がんリスク評価法開発に関する研究などがあります。がん分子標的治療法開発に関する基礎研究テーマとしては、がん細胞に特異的な細胞増殖抑制やアポトーシス誘導を可能にする新たな分子経路の探索のためのアッセイ系の開発、モデルマウスを用いた発がんメカニズムの研究および化学発癌予防法の研究・開発などがあります。一方、臨床研究としては、がんの分子診断に関する臨床研究として、乳癌、大腸癌の予後や治療効果予測の臨床研究、ポジトロンCTによるがんの質的診断および治療効果判定に関する研究、家族性・遺伝性腫瘍(特に大腸癌と乳癌)の遺伝子診断があります。がん薬物療法の臨床研究に関しては、食道癌、胃癌、大腸癌など主に消化器癌の薬物療法について、NPO法人東北臨床腫瘍研究会(T-CORE)での自主的臨床第I相・第II相試験、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG), 日本がん臨床試験推進機構(JACCRO)および西日本がん研究機構(WJOG)での臨床第III相試験に参加するほか、分子標的薬の治験や市販後調査などを行っています。主な研究費は、文部科学省科学研究費補助金、厚生労働省科学研究費補助金、民間研究助成、企業との共同研究、科学技術振興機構(JST)や製薬メーカーの受託研究および奨学寄付金などです。

腫瘍内科での診療

大学病院腫瘍内科はがん薬物療法の実践の場であり、常時、約23名の入院患者や月700人以上の外来進行がん患者の診療(主にがん薬物療法)を担当しています。年間症例数(2006-200年の1年間)は、入院では、年間入院患者数 235人、大腸癌 84人、食道癌 56人、胃癌 39人、肝・胆・膵癌 12人、肉腫 10人、原発不明癌 5人、乳癌 5人、胚細胞腫瘍 4人、悪性リンパ腫 3人、悪性黒色腫 3人、副腎腫瘍 3人、その他 11人、外来では、年間外来患者数 725人、大腸癌 212人、胃癌 127人、食道癌 106人、肝・胆・膵癌 58人、良性疾患 58人、肉腫 26人、乳癌 25人、造血器腫瘍 23人、原発不明癌 22人、肺癌 21人、頭頸部癌 12人、泌尿器癌 11人、その他 24人でした。この数年間で、化学療法の主たる場は入院から外来に移行しました。腫瘍内科では、平成16年4月に開設された化学療法センター(現在、東病棟4階)を利用し、毎月延べ約300人(化学療法センターの利用患者の40%以上)の外来化学療法を担当しています。この他、院内ではこの化学療法センターや都道府県がん診療連携拠点病院の指定に伴い設置されたがんセンターの運営に深く関わっています。

教育との関わり

平成20年度からは4年生の臨床講義「臨床腫瘍学」を担当することになり、これまで以上に卒前教育に関わることになります。また、これまで医学系研究科の協力講座として大学院博士課程の学生を受け入れ、学内外に人材を輩出してきました。大学院生はがんの診断・治療に関する基礎的研究により医学博士を目指しています。2008年4月からは、文部科学省予算の東北がんプロフェッショナル養成プランによる臨床腫瘍専門医コースが医学系研究科博士課程に開講されます。この新設コースでがん薬物療法専門医を目指す大学院生が5名入学予定です。修了後は日本内科学会認定内科医や日本臨床腫瘍学会のがん薬物療法専門医を取得して教員として研究・教育に進む道と、関連病院の腫瘍内科やがん化学療法科でがん薬物療法を専門にする臨床家としての道が開けています。学生教育以外に医療者の養成として、大学病院で東北地方のがん診療拠点病院から医師、薬剤師、看護師を受け入れるがん薬物療法研修(チーム医療型研修)、学外では2007年4月に設立したNPO法人東北臨床腫瘍研究会が主催する東北臨床腫瘍セミナーを通じて、がん医療に携わる医療従事者の教育支援を行っています。 (艮陵新聞 平成20年3月31日号より)

2008年3月31日

ページの先頭へ戻る

© 2006 Department of Medical Oncology, Tohoku University Hospital All rights reserved.