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教授挨拶

「外来化学療法室紹介に当たって」
(連載「外来化学療法」の巻頭言 癌と化学療法誌 32: 1534, 2005より)

わが国では進行・再発がんに対して、一部の病院では以前から副作用が軽微な化学療法を外来で実施していたが、多くのがん種の標準的化学療法プロトコールは原則として入院(病棟)で実施されてきた。

ところが、この2-3年の間に多くの病院では標準的治療を含めて急速に外来化学療法にシフトしはじめたのはである。このような要因(表1)には、

  1. 10~20年前に標準的治療法の主流であった3剤―4剤の多剤併用療法が、外来でも投与可能な単剤―2剤のプロトコールが中心に移行してきたこと、
  2. IVHポート化による外来での持続静脈内投与の普及や、静脈内投与の抗癌剤と抗経口抗癌剤との併用プロトコールの開発など、投与ルートに関する環境の変化、
  3. 外来化学療法を意識したプロトコールの開発、
  4. 5-HT3受容体拮抗剤やG-CSFの登場による副作用対策の向上、
  5. 特定機能病院などへのDPC導入、
  6. 平成16年度の医科診療報酬点数表の改訂による外来化学療法加算の導入、
  7. 医療者、患者や家族の意識変化など、複数の要因が考えられる。

癌化学療法に積極的に取り組む病院の多くは、すでに外来化学療法室またはセンター、外来治療センターなどの名称の施設を開設し、これまで各診療科で行われてきた外来化学療法を院内の1箇所で集中的 に行う体制が整備されつつある。しかしながら、その設備のみならず運営方法や人員に関して(専門性の問題や専任か兼任か)施設ごとの工夫が見られると同時に、施設間に格差や存在するように見える。

また、外来化学療法が早くから定着した欧米と比べてわが国の病院に外来化学療法の体制を整備するのはかなり遅れたため、米国並みの外来化学療法と地域医療との連携を含めた患者支援システムの構築には、それなりの時間が必要であると考えられる。本企画では外来化学療法室を積極的に運営している国内の病院の施設や運営方法、現在抱えている課題について紹介し、取り入れるべき利点や、課題についてこの領域に従事する医療者が共有する機会を提 供するものである。また、わが国における外来化学療法の方向性を考える機会になれば幸いである。

今回の連載に当たり、「わが国における外来化学療法の流れ(仮題)」の総説を本誌創立編集委員の田口鐵男先生にお願いした。

また、第1回目の今回は日本医科大学付属病院と徳島県立中央病院の外来化学療法の体制をご紹介いただく。

今後、毎回2病院の外来化学療法体制を紹介するが、診療に携わる医師、看護師、薬剤師はもとより、病院の管理者の方にもご一読願えれば幸いである。

(連載「外来化学療法」の巻頭言 癌と化学療法誌 32: 1534, 2005より)
東北大学加齢医学研究所・癌化学療法研究分野
石岡千加史

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